それは一本の電話から始まった。

ko-c2006-02-13

慌しい週明け月曜の朝、溜まったメールの処理をしていると一本の電話が私あてに掛かってきた。出てみると前々任者からの電話。いったい何の用事なのだろう。。
彼は当社での研修後、南京大学に語学留学していた。昨年8月に帰国したが何でも中国の人と結婚するらしい。それで中国大使館に手続きの問い合わせをしているらしいが電話が繋がらないので私に直接行って聞きいてきて貰えないかということだった。殆ど面識のない私に電話を寄越してくるくらいだ、かなり困っているのであろうと思い二つ返事で承諾した。彼は手続きのため木曜には来京する。時間がない、そう思ってすぐ出掛けることにした。
六本木駅で地下鉄を降り六本木ヒルズを通り過ぎて坂道を下っていくと中国大使館はある。正門には何人もの警察官が立っているが暖かい日差しのためか緊迫感も幾分和らいでいるようだ。しかし何処へ行っていいのか判らない。とりあえず横にある領事部の建物へ行ってみることにする。
建物に入るとそこは明らかにちがう雰囲気と匂いが漂っていた。天井近くの小さな窓、飛び交う中国語、フロアに溢れかえる人々。この中で日本人は私と警備員くらいしかいないようだ。とにかく辺りを見渡して「案内所」という看板を見つけ列に並ぶ。暫くして私の順番が巡ってきて用件を伝えた。受付の男は片言の日本語で「2階、2階」と繰り返した。やはり日本人は殆ど来ない場所のようだ。
気を取り直して2階の列に並び直した。すぐ前の若いカップルも婚姻手続きに来たらしい。背も小さいので幼く見えるのだが寄り添いあう二人の姿は初々しさも感じさせる。書類に貼るためか、手に持つお揃いで写っている写真が微笑ましい。そんなことを思っていると程なく私の順番が来て用件を伝える。受付の女性は20代前半だろうか、てきぱきとした応対で必要以外の言葉は話さないが冷たい感じはしない。1分も掛からず用件は済み領事館を後にした。
ちょうど昼飯時になったので広尾をブラブラしてみる。広尾商店街を進み角を曲がると見覚えのある建物が。ハッとした。全くの偶然だった。「http://www.fujitv.co.jp/kobayakawa/index2.html」に出てくる盆栽教室「ギャラリーなおえ」ではないか!今にも作田カナが店の中から出てきそうだ。思わず店の中を覗こうと近づくが入り口には「Close」の文字が。既に店を閉めた後だったのが悔やまれる。カナも居なくなり店の主も遠くに行ってしまった店に用は無い。一抹の寂しさを感じながら店をあとにした。。

ということでなんとなく今回はエッセイ風にしてみました。